コガタペンギン<ペンギン水族館動物写真図鑑WEB水族館 全国水族館ガイド

全国水族館ガイドTOPへ
動物写真図鑑TOPへ
水族館に出かけよう。
WEB水族館
中村元
中村元 Facebook
中村元 Twitter
水族館の本・ガイド
水族館動物写真図鑑
イルカトレーナーになる

水族館を探す
50音順で探す
好みのタイプで探す
地図で探す

LINK
Plan・Do・See「はたらくのアイデア」
水族館プロデューサー『長所で勝負しない。弱点をいかに武器にするか』
にっぽんのマーケター2017年7月
マーケターの企み「中村元さん、水族館プロデューサー
文春オンライン2017年7月
中村元の『水族館哲学』から紹介します
モーニングショー「聞きトリ」2017年7月11日
水族館プロデューサー斬新アイデア
マリンガーデン、リニューアル物語(アニメ)


コガタペンギンと会える水族館

コガタペンギン(フェアリーペンギン)
ペンギン目ペンギン科コガタペンギン属/体長40cm前後
コガタペンギンの写真/長崎ペンギン水族館
(写真:長崎ペンギン水族館のコガタペンギン)
コガタペンギンはペンギン中最小のペンギンで、オーストラリア南岸からタスマニア、ニュージーランド沿岸に生息している。
コガタペンギンには、いくつもの亜種があるが、近年ニュージーランドの者だけは、独立種のハネジロペンギンとして扱われるのが一般的となり、かつては全17種だったペンギン界が、最近では全18種と変わった。日本に来ているのはオーストラリアのコガタペンギンである。
実は呼び名の方にも変更があり、本来の和名コビトペンギンは差別的用語であるとの判断で、水族館では、研究者の間で使われ始めたコガタペンギンを使用し、中村もそれにならっている。(葛西臨海水族園では、オーストラリアでの呼び名フェアリーペンギンを使用)

オモチャのように小さな体は、それだけで可愛いが、よく見るとかなり目つきの悪い顔をしている上に、直立が普通のペンギンとしては異常なほどに前のめりに歩く。まるでアゴを突きだして与太っているようだ。
コガタペンギンの入手はとても難しく、日本では、葛西臨海水族園、八景島シーパラダイス、長崎ペンギン水族館の3館でしか会うことはできない。
コガタペンギンに会える水族館
=写真はクリックで拡大します

長崎ペンギン水族館(長崎県)
コガタペンギンと会うのなら、最も新しく公開を始めた長崎ペンギン水族館の施設がオススメだ。

コガタペンギンの飼育場としては日本で初めての土の床を使い、水中には造波装置も付けられている。それらの設備がコガタペンギンたちの行動にいい影響を与えているのか、ペンギンたちは、よく歩き、よく泳いでくれる。

目線の高さにもちょうどうまく合わされていて、前のめりに歩くコガタペンギンならではの姿を、間近に観察することができる。
長崎ペンギン水族館のガイドへ
コガタペンギンの写真/長崎ペンギン水族館
陸を歩くときには集団でガヤガヤとした雰囲気で進む。
コガタペンギンの写真/長崎ペンギン水族館
水中を泳ぐ姿は、まるでペンギンのオモチャのよう。
コガタペンギンの写真/長崎ペンギン水族館
直立は不得意。前のめりの歩き方が与太っているよう。
コガタペンギンの写真/長崎ペンギン水族館
何かを発見して上を見るコガタペンギン。
東京都 葛西臨海水族園(東京都)
葛西臨海水族園では、オーストラリアで呼ばれる英名「フェアリーペンギン」が表示されている。もちろんコガタペンギンと同じ種類。
屋外のペンギンプールの一部がフェアリーペンギン用に仕切られている。
東京都 葛西臨海水族園のガイドへ
コガタペンギンの写真/葛西臨海水族園
谷間を行進するフェアリーペンギン。
コガタペンギンの写真/葛西臨海水族園
小さな体にまして小さな翼。
横浜・八景島シーパラダイス(神奈川県)
八景島のプールは完全室内型になっている。陸上が少し遠いが、少し待っていれば水中を泳ぐ姿も見ることができる。
横浜・八景島シーパラダイスのガイドへ
コガタペンギンの写真/八景島シーパラダイス
目つきの悪さがコガタペンギンの魅力。
コガタペンギンの写真/八景島シーパラダイス
幼鳥体型の残るとりわけ小さなコガタペンギン。
ペンギンパレード
オーストラリア観光で有名なフィリップ島のペンギンパレードは、コガタペンギンの観察ツアーのことだ。メルボルンから車で2時間ほどのフィリップ島に、オーストラリア大陸で最大のコガタペンギンのコロニーがある。
コガタペンギンは、早朝に海に出てエサを獲り、日暮れとともに巣のあるコロニーにいっせいに帰ってくる習性があり、その集団帰宅を見学するのだ。
コガタペンギンたちは、10~30羽ほどのいくつものグループに分かれて海から上陸してくる。波打ち際から陸上に向かうときに、誰が先頭になるかが、どうやら彼らうちでの駆け引きのようで、ピーピーと騒ぎながら押し合い転げ合って協議を続ける。そのうち誰かが決心したのか、それとも押されて勢い余ったのか、1羽のコガタペンギンが海岸の先のブッシュをめがけて走り始める。すると今度はグループの誰もが、遅れてなるものかとばかりにあわてて追いかける。かくして、ピョコピョコとこけつまろびつ進むペンギンパレードとなるのである。
不思議なことに、この波打ち際での駆け引きと海岸の速走りが終わると、その後ブッシュまでの100mほどの道のりは、いたって緊張感のない歩き方だ。すぐ近くにヒトがいるのもおかまいなしに、もくもくと巣の方向とおぼしき方向に向かって歩くのである。

こういった光景は、フィリップ島だけでなく、オーストラリア各地で小規模なものを見ることができる。フィリップ島、カンガルー島、タスマニア、ニュージーランドのオタゴの各地で、寒さに震えながら観察したが、コロニーのあるブッシュからは親を待つヒナのピーピーと鳴く声が聞こえ、それが聞こえると親鳥たちは突然足を速める。中には親の帰りを待てずにブッシュから飛び出してくるヒナもいて、実にほほえましい光景だ。
ところで、コガタペンギンはペンギンとしては珍しく、1年を通じてコロニーで暮らし、繁殖期以外も巣の近くに定住する。おかげでフィリップ島のペンギンパレードは年中稼げる観光資源となっているというワケだ。
水族館動物写真図鑑:ペンギン全種のページへ